盛岡大学・盛岡大学短期大学部

2022/09/20

栄養科学科

【栄養科学部】公衆栄養学臨地実習(学内対応)における特別講義を行いました

栄養科学科「公衆栄養学臨地実習Ⅰ」(佐藤ななえ教授4年前期開講)は、地域住民のQOLの向上や健康状態の改善を図るための公衆栄養活動の実際および保健行政における管理栄養士の果たす役割や業務を理解することを目的に、岩手県内の保健所や市町村保健センター等で実習を行っています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年、一昨年に続き、4施設(学生11名)の実習が中止となったため、その代替えとして学内実習(9/12~15)に切り替えて行いました。
9月14日(水)には、岩手県奥州保健所長(元外務省 医務官) 仲本光一先生をお招きし、「世界の健康と日本、岩手の未来~外務省での経験を通じて~」をテーマにご講義いただきました。

仲本先生は、ミャンマー、インドネシア、インド、ニューヨーク、タンザニア、カナダの日本大使館・総領事館等において在外邦人の健康支援や災害支援に尽力されてきた方で、その間、インドネシア暴動、えひめ丸海難事故、北朝鮮拉致被害者ケア、ダッカテロ事案対応も経験されたほか、海外邦人支援NPO(ジャムズネット)の設立にも参加されています。
豊富なご経験に基づくお話は心に迫るものがありました。災害・暴動・テロ、邦人支援、そして、もしテロ、銃、ナイフなどの被害に巻き込まれた場合の身の安全の確保の仕方など、重めの話ではありましたが、ユーモアを交えてお話しくださったので、学生も受け止めやすかったようです。講義の最後には、仲本先生から学生に向けて次のようなメッセージがありました。「日本がいかに恵まれた状況にあるか知ろう」、「国際人として活躍する前提として、まずは国語力をつけ、日本の文化・歴史を理解するところから始めよう」、「今の生活は、日本人の先達が世界中の人たちの心に残るような行動・貢献をしてきた賜物であり、皆さん(学生たち)が次の世代の日本人の先達であることを自覚しよう」。この貴重なメッセージを、学生はどのように受け止めたのでしょうか? 将来、何かしらの形で必ず芽が出ることと思います。

※仲本光一先生略歴
1992年10月、外務省入省
2019年(令和元年)5月、岩手県入庁

専門医:社会医学系専門医指導医、日本医師会認定産業医
所属NPO:NPO法人ジャムズネットUSA 理事
NPO法人ジャムズネット東京前理事長
認定法人こころの架け橋いわて 理事
受賞歴
川口賞(外務大臣賞、2002年)
多文化間精神医学会学会賞(2002年)
米国日本医師会功労賞(2003年)