2025/11/18
児童教育学科
国語概論(書写を含む)学外授業(遠野ふるさと村)を行いました
【児童教育学科】小学校の教職科目「国語概論(書写を含む)」では、10月末に遠野ふるさと村で学外授業を行いました。
物語を読むことにおいては、書いてあることの外側(背景となる事物のこと。コンテクストといいます)も重要です。小学校4年の定番教材「ごんぎつね」には、登場人物の兵十が縄を綯(な)うシーンや火縄銃を発砲するシーンがあります。火縄銃はもちろん、縄そのもの、まして「綯う」などは、現代の生活をしている私たちには馴染みがありませんよね。それにもかかわらず、教科書(光村図書版)には詳しい説明がありません。そこで今回は、コンテクストが読みの方向性や鮮明さにどのように寄与するのかを考えるために、縄綯いを体験し、第6場面のショートムービーを古民家で撮影してみることにしました。
縄綯いは半分の学生が苦戦。一方で指導員の方々の早さに圧倒されました。慣れてしまえば、かなりの早さで手元も見ずに進めることができることがわかりました。集中が必要なわけではなく、物置からでも小ぎつねの来訪に十分気付くことが出来る作業なのです。火縄銃は紙の模型を使用。納屋にかけてある銃をとって構えるまでに、火薬(と弾)をこめて棒でついて縄に火をつける等の工程があり、演じてみると思ったよりも時間がかかることがわかりました。その間に、ごんは慎重に中の気配を窺って入り、丁寧に栗を固めて置いていたのでしょう。ごんが時間をかけた心づくしの贈り物だったことが想像できます。
このように、コンテクストによって、物語の解像度はぐっと上がります。受講生たちが先生になって授業をするときに生かし、児童と楽しく深く考えてほしいものです。



