盛岡大学・盛岡大学短期大学部

新学長インタビュー

地域に開き、未来へつなぐ大学へ
学生とともに育ち続ける盛岡大学・盛岡大学短期大学部を目指して

今年度から、盛岡大学・盛岡大学短期大学部では、新体制のもとで歩みを進めています。
学生数の減少や地域社会の変化など、地方大学がいま大きな転換点を迎える中、大学としてどのように未来を描いていくのか――。
4月から学長に就任した長谷川公一氏に、これからの盛岡大学・盛岡大学短期大学部が目指す姿と学生への想いを伺いました。

学長

長谷川 公一

(はせがわ こういち)

山形県出身。東京大学文学部および同大学院に学び、国際的に活躍する環境社会学の研究者、博士(社会学)。東北大学で教授を、尚絅学院大学で特任教授を務め、2025年4月から学長就任。

持続可能な大学を、地域とともに

今年度から学長という大きな役割をお預かりしました。少子化が進む中で、大学はどのように存在意義を保ち続けるのか。本学もまた、その問いに向き合う時期にあります。

私は、任期の4年あるいは6年という枠にとらわれず、2040年、2050年を見据えた長い時間軸の中で、大学の持続可能性を考えていきたいと思っています。

そのためには、研究と教育の質を高めることを軸に、教職員、学生、そして地域の皆さんと一緒に、本学の未来を形づくっていくことが欠かせません。

私が目指すのは、大学を地域に開かれた「学びの道の駅」のような存在にすることです。学生だけでなく、地域の方々が訪れ、学び、語り合い、つながる場所。大学から地域へ、地域から大学へ――知識と人が往復するような関係を築きたいと考えています。

AIやネットワークが発達するほど、人と人が顔を合わせ、声を交わす価値はむしろ高まります。オンラインの便利さを活かしながらも、人と人とが直接向き合う時間を大切にする大学でありたい。学生が地域の人と触れ合い、そこにある課題をともに考え、学びに変えていく――そうした循環を、これからの大学の姿として育てていきます。

世界を広く、自分を深く見つめる力を

学生のみなさんに大切にしてほしいことが、三つあります。

まず一つ目は、問題を見つけ、解決へとつなげる力です。身近な出来事に目を向け、なぜそうなっているのか、どうすれば良くなるのかを考え抜く。学科や専門を超えて活きる力です。

二つ目は、広い視野を持つこと。足もとの出来事だけでなく、地域、日本、そして世界の動きの中で捉えることです。いわゆる「虫の目」と「鳥の目」を使い分けながら、視点を行き来させることで、物事の本質が見えてきます。

そして三つ目は、「自分ごと」にすること。ニュースや社会の出来事、大学での学び、アルバイトでの経験――どんなことも「自分だったらどうするだろう」と考えてみる習慣です。傍観者ではなく、当事者として関わることで、学びはぐっと深まります。うまくいかないことがあっても構いません。その経験こそが、次の一歩を支える力になります。

人と地域を愛し、未来をともに育てる大学へ

私が思い描く本学の未来は、研究と教育の力を礎に、人と地域を育む大学です。学生一人ひとりが「盛岡大学・盛岡大学短期大学部で学べてよかった」と心から思える場所にしたい。そのためには、まず自分自身を大切にすることが出発点になります。自分を認め、愛することができる人は、他者を思いやり、地域や世界に目を向けられる。自己愛は、やがて隣人愛や地域愛につながるものだと思うのです。

盛岡や滝沢、そして岩手・東北の各地から集う学生たちには、ここでの学びを通して自分の故郷の魅力を再発見し、誇りを持って巣立ってほしい。地域の歴史や文化を知り、新しいアイデアを加えながら、未来を一緒に創る存在になってくれたら、これほどうれしいことはありません。

本学はこれからも、地域の方々と手を携えながら、「人が育ち、まちが育つ」その循環を支える知の拠点であり続けます。

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