盛岡大学・盛岡大学短期大学部

英語文化学科

英語文化学科では、「英語圏の言語や文化についての専門的知識と幅広い国際教養を備え、実践的な英語コミュニケーション能力を身につけ、地域社会のみならず、グローバル情報社会に貢献する力を有する者」を育成することを教育目的としています。言い換えると、グローバルマインドセットを身につけた人材を輩出したい、ということなります。そのために、1年から4年まで体系的・段階的にカリキュラムを組んでいます。

科目の区分は、「教養科目」「専門科目」「教養科目、専門科目及び教職に関する科目からの選択」に分かれています。また、専門科目は、「英語コミュニケーション科目」と「専門領域科目」に分かれています。「専門領域科目」はさらに「グローバル・コミュニケーション領域」「言語学領域」「文化・文学領域」という3つの分野に分かれています。

第1学年の「基幹科目」は、英語文化学科で学ぶにあたり基本的な英語力と教養を身につけるための科目です。英語コミュニケーション科目では、週2回、ネイティブの先生から実践的な英語4技能を学ぶことができる「Active English」という科目があります。専門領域科目において、「コミュニケーション入門Ⅰ」では、文化的背景を異にする人たちのコミュニケーションはどうあるべきかについて考察します。「英語学入門Ⅰ」では、言語の本質、特に、形態論・統語論・音韻論の基礎について学びます。「イギリス文化入門Ⅰ」と「アメリカ文化入門Ⅰ」では英米の文化や歴史に関する基礎的な知識を身につけます。また、「基礎ゼミナールⅠ・Ⅱ」においては、大学での学びにおいて必要となるスキルを学ぶことができます。

第2学年の「展開科目」は、基幹科目よりも発展した内容となっており、英語能力を向上させると同時に、3つの領域の専門知識を深めることができます。英語コミュニケーション科目の必修科目である、「English for Studying Abroad」は、海外短期語学研修を実施し、その事前事後指導を含めた科目となっています。「異文化コミュニケーション」「国際事情」「言語学概論」「社会言語学」「イギリスの文学」「アメリカの文学」などが配置されている専門領域科目においては、学生はすべての領域の科目を1科目以上履修することになっています。

第3学年の「演習科目」では、さらなる英語力向上のための科目、そして、卒業論文につながる演習形式の科目が設けられています。英語コミュニケーション科目においては、「TOEIC 700」「Translation Skills」「Academic Writing」などの科目を設け、学生のTOEICスコアアップのみならず、英語のスキルアップを目指しています。また、「グローバル・コミュニケーション演習」「言語学演習」「イギリス文化・文学演習」「アメリカ文化・文学演習」など、各領域の演習科目が配置され、学生たちは、3つの領域の中から2つ以上の領域を履修することとなっています。

日本文学科

日本文学科の教育課程は、従来の日本語・日本文学のオーソドックスな科目群と、世界的な視野に立った日本語・日本文学の科目群とを基盤とし、さらに地域に根ざした文学・文化を研究する東北文学、民俗学についての科目群を置いているところに特徴があります。この科目群はフィールドワークを伴って実施されるもので、本学科独自の特色ある教育方法の一つとなっています。

日本語・日本文学のオーソドックスな科目群として開設されている「日本語学演習(近現代語)Ⅰ・Ⅱ」では、日本語を世界の中の一言語として観察し、分析します。「中古文学演習Ⅰ」においては、日本の根源となる文化のすべてが盛り込まれていると言っても過言ではない『源氏物語』を深く掘り下げていきます。「近現代文学演習Ⅰ・Ⅱ」においては、テクスト論と文学解釈法を知ることで、明治から現代にかけての文学作品を読み進めていきます。

地域に根ざした文学・文化に関わる科目群に配置されている「東北文学演習Ⅰ・Ⅱ」「東北文学研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「東北文学概論」などの授業では、石川啄木・宮沢賢治らの作品のほか、一般的には必ずしも注目されてこなかった郷土の作家や作品を取り上げています。 さらには、時代のニーズに応える科目として、メールの書き方など実用的な文章を題材に表現力を養成する「日本語コミュニケーション演習」、情報処理を用いた日本語日本文学研究の方法を学ぶ「日本語日本文学情報処理」などの科目も設置されています。

社会文化学科

3つに大別された各領域はそれぞれ次のような個別的な学修目標を掲げている。ドイツ、フランスを中心としたヨーロッパの文化現象を広く学ぶこと(文化的領域)・現代社会の成り立ちや構造を学び、様々な社会現象を探求すること(社会的領域)・考古学や歴史学を通してアジアと日本の歴史を多角的に学ぶこと(歴史的領域)。

基盤科目(1 年次)では、それぞれの領域で自分を取り巻くさまざまな問題に気づかせ、問題発見することを主眼に教育がなされている。そこでは、サブカルチャーからハイカルチャーにいたる様々な文化領域のテキストが用いられる。 展開科目(2 年次)と専門研究科目(3 年次)においては、各自の問題意識をさらに明確にして深めることが求められる。ここでは、学生の問題意識が各学問ジャンルにおけるどのような方法と結合されるべきかがテーマ化される。 専門演習科目(3 年次)においては、少人数のゼミナール教育がなされ、フィールド研究や合宿、課外実習を通じて、学生の行動力や組織力を向上する工夫がなされている。

文化的領域科目として、「社会人類学」では人と人のつながりに注目し、家族や結婚、親子などをめぐっての考え方や行動様式を学ぶ。「文化人類学演習Ⅰ・Ⅱ」においては、各地域・集団の文化について学び、グローバル化の時代にそれがどう変わりつつあるかを考察する。

社会的領域科目として、「社会学概論」では地域社会、格差・貧困、家族、少子高齢化など社会学の基本的問題を考察し、また滝沢市役所職員による特別授業を実施し、滝沢市の課題とその実践的な取り組みについて学ぶ。「スポーツ社会学演習Ⅰ・Ⅱ」ではスポーツの課題・役割について、文化や歴史、強化、普及、指導法、倫理観、産業化等といった観点から分析し、またフィールドワークを実施し、トップチームや中央競技団体の訪問を通じ、強化、普及、マーケティングの実例を学ぶ。

歴史的領域科目として、「先史・古代文化論」では日常の時間感覚をはるかに超えた長期的な視野から、人類史の大部分を占める先史・古代を見渡すことによって人類の共通基盤を再確認する。「日本文化史」では、近代になって構築された「『創られた伝統』として の日本文化」を解体し、安易な日本称揚に陥ることなく日本を見直す視座を獲得する。

児童教育学科

児童教育学科(「児童教育コース」「保育幼児教育コース」)の教育課程は、まず専門分野ユニット制に特色があります。どちらのコースでも5つの専門分野(学校教育系、基礎教育系、心理系、表現系、保育・幼児教育系)の100レベル(基礎科目群)・200レベル(発展科目群)の授業をとることができ、幅広く学べるカリキュラムになっています。300レベル(卒業研究基礎演習科目群)・400レベル(卒業研究)については、学校教育系、基礎教育系は「児童教育コース」、保育・幼児教育系は「保育・幼児教育コース」の学生だけが履修でき、専門性もしっかり高めていきます。

1年生前期には児童教育学科での学びの基礎となるスキル(技術)を身につけられるように、「アカデミックスキル基礎講座」「日本語文章作法」を必修科目にし、スムーズな学修をサポートしています。また、児童教育コースでは「実践児童英語」が必修になっているのも特徴です。少人数クラス(20人程度)をネイティブ・スピーカー教員が担当し、子どもと一緒に英語を楽しむ力をつけます。

さらに、教育実践力や対人関係能力の向上をねらいとする「児童教育講座」(児童教育コース)、「幼児教育講座」(保育・幼児教育コース)が開設され、2年間必修です。1年生から教育ボランティアとして近隣の小学校や附属幼稚園で活動し、異学年クラスで先輩・後輩が一緒になって「授業コンテスト」「テーマ劇コンテスト」(児童教育コース)、「実践保育研究」(保育・幼児教育コース)などに挑戦します。