盛岡大学・盛岡大学短期大学部

2023/05/29

学部・学科

【栄養科学科】氏家研究室(うじいえゼミ)モリダイDASH食の開発

 栄養科学部の氏家研究室(うじいえゼミ)では、“誰ひとり取り残さない臨床栄養管理”を基本テーマとして活動しています。様々な健康課題の解決に向け、個人だけでなく家族や周囲の人々が地域の特性を活かして取り組める食事療法を広めることを一つの目的としています。
 令和5年度栄養科学科4年生の卒業研究では、大学のある滝沢市に焦点を当て、市では他県や国のデータと比較し40歳代の高血圧症が多い点に着目しました。ゼミ生たちは、栄養学生の視点からこの課題解決のためにできることとして「高血圧改善のための意識の向上」をめざし、高血圧症の治療と予防に加え複数の生活習慣病に効果があるとの報告がある食事療法「DASH食※の認知度を高める」ことを目的として活動をはじめました。

 ゼミ生たちは、この研究活動のキャッチフレーズとして
「-高血圧だけじゃない- みんなで一緒にDASHしよう!」
と掲げました。そしてDASH食に関する研究報告を複数確認しながら、DASH食の考えと地産地消を合わせたモリダイDASH食の提案について考えました。

※DASH食:「Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事療法)」の略。1990年代にアメリカで提唱され、ミネラルや食物繊維などの血圧を下げる働きを持つ栄養素の摂取量を増やし、コレステロールなど血圧を上げる原因となる栄養素の摂取量を減らすという実践方法。

5月24日(水)の活動

 この日の活動は、ゼミ生オリジナルレシピによるモリダイDASH食弁当の2回目の学内試作会でした。
 単に栄養素を合わせるだけでなく、食べる側の目線でも評価し、理想的な味付けや食感、見た目も考慮した盛り付けや分量になるよう調整を重ねました。レシピは、減塩の工夫をたくさん盛り込み、夏に提供することを想定し、その時期に手に入る市内や県内産の食材を中心に地産地消も考慮しています。
 お弁当の調理終了後は、試食をしながら1回目の試作から変更した点の確認や、モリダイDASH食の完成に向けたさらなる改善点について話し合いました。



コレステロール値を考慮しエビからホタテに変更しました



混ぜ込むチーズを変えて2種類作成し、栄養素や味の違いを確かめます


 

ゼリーの凝固剤の種類や量を変え食感の違いを確かめます





具材の大きさにも気を配ります



前回から調味料の量を調整してさらに良くなりました


 

おかずの量に合わせてカップを選びます


≪メニュー≫(5月24日時点)
・枝豆と桜えびの混ぜご飯/麦ごはん
・夏野菜の酢鶏
・いわし団子
・ホタテとブロッコリーとくるみのガーリック炒め
・ズッキーニのレモンサラダ
・糸こんにゃくの中華風サラダ
・きのこと海藻の酢味噌和え
・切り干し大根と人参のカレー炒め
・とうもろこし
・滝沢スイカのジュレ

 うじいえゼミでは、“誰ひとり取り残さない臨床栄養管理”のための活動を今後も継続していきます。