2023/06/28
大学
小説家・鈴木彦次郎のご長男の鈴木文彦氏が当大学図書館に来館されました
令和5年6月19日(月)に、小説家・鈴木彦次郎のご長男の鈴木文彦氏が、当大学図書館に来館された。
鈴木彦次郎(1898年12月27日 - 1975年7月23日)は、学生時代に川端康成と知り合い、意気投合して文学活動をした小説家。彦次郎は、川端康成、横光利一たちと新感覚派文学運動で『文芸時代』という雑誌を出し、優れた小説を残している。彦次郎は岩手県選出の衆議院議員・鈴木巌の二男として生まれた。盛岡中学校、第一高等学校をへて東京帝国大学を1923年卒業。高校時代寮の同室だった川端康成たちと第6次『新思潮』を1921年創刊。1923年文藝春秋同人、1924年川端、横光利一らの『文藝時代』に参加。新感覚派の一人とされた。戦中、盛岡に疎開し、戦後も盛岡に在住し生涯を終えた。盛岡では、川端康成、井伏鱒二などを編集同人として迎え『北の文学』という雑誌を創刊し、三好京三、須知徳平、長尾宇迦、及川和男などの小説家を世に出した。岩手県立図書館長、岩手県教育委員長、盛岡短期大学教授を務め、岩手日報文化賞を受賞。
鈴木文彦氏は、彦次郎の長男として生まれ、盛岡一高、早稲田大をへて、文藝春秋社に入社。編集者として多くの作家を担当した。定年後は盛岡に来る機会が多くなり、現在、父親が創刊した『北の文学』の編集委員を務めている。
盛岡大学図書館は、鈴木彦次郎の著作、関連著作、執筆雑誌などを多く蒐集し、特色ある蔵書として保管している。今回、長男である文彦氏が、是非、父の資料を見たいということで、来館の運びとなった。資料説明は、当館長・矢野千載教授、鈴木彦次郎の文学を研究している須藤宏明教授、鈴木彦次郎の資料蒐集をおこなった図書館学の小原俊一准教授が担当した。